【特集】タチウオ狙いに欠かせない四つの釣り具

https://pixabay.com/en/fishing-rods-rods-fishing-hobby-405860/
タチウオはルアーでもエサでも釣れたり、歯が鋭かったり、といった特徴があるので、これらの特徴に合わせた釣り具選びが大切です。
例えば、ルアーでもエサでも釣れるということは、両方の釣りに対応したロッドが必要になりますし、歯が鋭いということは丈夫なラインを使う必要があります。
金額の高い高性能なものを買えば済む場合もありますが、見当違いに高い物を買っても損ですし、タチウオ釣りを正しく理解していればリーズナブルなもので済む場合もあるでしょう。
そこで本記事では、タチウオ釣りにはどういう釣り具が適しているか
- ロッド
- リール
- ラインとリーダー
- フック
といったトピックを中心にお話しするので、参考にして頂ければと思います。
この記事の目次
ロッド選び
ロッドに関しては、シーバス用のシーバスロッドや、アオリイカ狙いのエギングロッドがタチウオ釣りにおいて主流です。
また、シーバスロッドとエギングロッドに加えて、ワインドロッドもタチウオ用の竿として良く使われています。
というのもワインド釣法は連続でシャクり続けるため、体に負担が掛かるのです。
ワインド釣法と共通点が多いため、エギングロッドを応用する人も多いのですが、やはりワインド釣法専用に作られたワインドロッドの方がリールの位置や、グリップの長さが調整されており、使い勝手が良いと言われています。
それではタチウオ釣りに良く使われる、これら三つのロッドについて説明させてください。
シーバスロッド
素材にステンレス、チタン、カーボンを使っており、ルアーフィッシングを目的としたロッドです。
ステンレスは耐久性が高い上に価格が安いのが特徴。
一方で重さとサビに弱いのが弱点です。
チタンとカーボンは耐久性が強く、軽く、サビにも強い優秀な素材。
ただその分、金額が高くなりますが、カーボンが最も軽さとアタリの感度で優れていると言われています。
またラインを通すリング部分はハードロイ、SiC、ゴールドサーメット、トルザイト、ルビーなど、すべりの良い素材が使われており、日々より軽くて耐久性が強く、熱伝導率が高くて滑りの良い素材が研究されているようです。
そしてグリップ部分にはワインの蓋としてよく使われるコルクや、ゴムに似た質感のEVAが使われ、柔らかくて滑りにくいグリップ感を実現しています。
シーバスロッドはルアーの遠投を前提としているので竿の反発力が強く、バスの強い引きにも耐えられるよう設計されているのが特徴。
ルアー釣りにはもちろんですが、テンヤ釣りや他の釣法にも対応していますし、エサ釣りもカバーできるので、タチウオ釣りで活躍するロッドのタイプと言えるでしょう。
シーバスロッドを一本持っておけば便利ですが、より他の釣法に特化したロッドとして「エギングロッド」と「ワインドロッド」があります。
エギングロッド
エギングロッドは、アオリイカを狙うエギング釣法用のロッドです。
エギング釣法の最大の特徴はロッドを上下させる「シャクリ」と呼ばれるアクションなのですが、エギングロッドはこのアクションに適した設計になっています。
例えば、一日中しゃくり続けられるようシーバスロッドよりも軽いモデルが多いですし、しゃくった際にエギが動きやすいようロッドが硬めにできているのです。
ロッドの長さは短い物から長い物まであるのですが、長い方が遠投に向いており、短い方がシャクリやすい傾向になると言われています。
尚、遠投性能については長いロッドの方が有利ですが、その分重量が増えてしまい、筋力にあまり自信が無い人、子供や女性には扱いやすい短めのロッドがオススメです。
一般的な目安として8フィートから8.6フィートあたりを試してみるといいかもしれません。
ワインドロッド
ワインドロッドはエギングロッドよりもグリップが長く、エギングよりもシャクリの多いワインド釣法を想定した設計になっています。
ワインド釣法はシーバスロッドやエギングロッドでも代用が効きますが、グリップの長さや、ロッドの調子など微妙なところでワインドにピッタリなロッドは存在しませんでした。
しかしワインド釣法が広まるにつれてワインド専用のロッドも発売されるようになり、「疲労が少ない」とワインドアングラーに好評のようです。
オススメはジャストエース社のShore Winderシリーズ。
ワインド釣法用のジグヘッドとワームをいち早く販売し、ワインド釣法の先駆けであるオンスタックルデザイン社からの推薦もあるほどで、ワインド釣法にマッチするよう研究し尽くされたロッドです。
ティップをソフトにすることにより合わせやすく、バットは硬めで大きいサイズのタチウオの引きにも負けない仕様になっています。
リールについて
ロッドと同様にタックルの心臓部と言えるのがリール。
海釣りではスピニングリールとベイトリールが使われるのですが、100mを超える様な深層部を狙う時は自動で巻かれる電動リールがオススメです。
それではそれぞれについて説明します。
スピニングリールとベイトリールについて
安価な初心者向けの物から、高級な上級者向けのものまで種類があり、最もポピュラーなリールのタイプと言えるでしょう。
キャスト時の操作も簡単で、トラブルが少ないのが特徴です。
尚、ワインド等シャクるスタイルの釣法では取っ手が二つあるダブルハンドのモデルがオススメ。
というのもしゃくったり糸ふけを取ったりと、リールから手を放す時が多いので、取っ手を素早くつかむ必要があります。
そのため取っ手が二つあった有利と言われているのです。
一方でベイトリールですが、軸ごと回す事により直接的にラインを巻き取るので、ねじりながらラインを巻き取るスピニングリールよりも、巻き取る力を強いと言われています。
また、キャスティング時もラインがバラバラに出ていくスピニングリールに対して、ベイトリールは真っ直ぐラインが出ていくので、遠投性能も優れているようです。
ですが、キャスト時に発生するバックラッシュが玉に瑕。
近年、バックラッシュを防ぐ機能を搭載したベイトリールも登場しているようです。
電動リールについて
電動リールのメリットは自動でラインを巻いてくれることにより、手巻きリールでは届かなかった深さまでタチウオを追う事ができること。
ですがそれだけでなく、フッキング後の自動巻きにおいても、タチウオの引き具合に応じて巻くスピードが調整される機能もあり、バレ防止にもなります。
加えて、電動リールには出たラインの長さを表示する機能が搭載されており、狙ったタナへ正確にアプローチすることが可能です。
特に冬場のタチウオは100m以上の水深に潜んでいることも珍しくなく、200m近い水深の場合もあります。
掛かったタチウオをこの距離巻くのはなかなか厳しく、船釣りでは電動リールがオススメです。
尚、タチウオの場合、キンメダイやアコウダイほどの水深やパワーは不要なので、電動リールの中でも小型のもので十分に対応できます。
ラインとリーダー
ロッドとリールがタックルの心臓だとすれば、ラインはタックルの血液でしょう。
ラインは手元から数十メートル、あるいは数百メートル離れたタチウオを結ぶ唯一の物なので、適切な素材、適切な太さを選びたいところ。
タチウオアングラーにはPEラインが人気なのですが、一通りの素材を紹介し、リーダーについてもお話します。
ラインの素材と種類
ナイロン
まずは「ナイロン」。
最も安価で市場に出回っているタイプです。
結び目の強度も高く、摩擦にも強いのがメリットですが、水を吸い込み性質に加えて、耐光性が無いので他の素材に比べて劣化しやすいのがデメリット。
フロロカーボン
「フロロカーボン」はナイロン同様に結び目と摩擦への強度高く、且つ劣化にも強い素材。
しかし、他の素材に比べて太いためリールへのなじみが悪く、メインのラインとしてはあまり使われません。
むしろメインのラインとエサやルアーを繋ぐリーダーとしての使用に向いています。
PEライン
「PEライン」は繊維を縫い合わせてつくられた素材で、他の素材よりも感度が優れているため、タチウオの小さなバイトにも気づくことができるメリットがあります。
また他の素材と違い、伸度がないため、遠く離れたルアーを意図通りに動かせるというメリット。
このためタチウオ釣りとして主流のテンヤ釣り、ルアー釣り、ワインド釣法といった釣りではPEラインがスタンダートとなっています。
尚太さについては06号から1号がタチウオ釣りに向いており、飛距離を稼ぎたいなら0.6号。
大物にも対応すべく、安心感を得たいのなら1号。
0.8号はタチウオアングラーにも愛用者が多く、強度、軽さが両立しているので無難な選択と言えるでしょう。
リーダーを使うべし
リーダーとはメインラインとルアーを仲介するもので、メインラインの弱点を補う目的で使われます。
例えばPEラインは伸度が無いため、ルアーを動かしやすいメリットの反面、フッキングした後にタチウオが暴れると、ラインに柔軟性が無いため、バレやすいデメリットがあるのです。
また、PEラインは擦れに弱いので、タチウオ鋭い歯に弱いと言われています。
そういった弱点を補うため、ルアー付近だけ別の素材を挟み、タックル全体のバランスを取るのです。
「フロロカーボン」はこういったPEラインの弱さを全てカバーできるので、タチウオ狙いのタックルでは人気のリーダー素材。
太さは3号から5号、ワインドには5号がオススメです。
しかし、タチウオの歯は侮れなく、フロロカーボンでも噛み切られてしまうことが良くあります。
そこでおすすめなのがワイヤー製のリーダー。
強度ではどの素材よりも上なので、ワイヤーリーダーならばタチウオに噛み千切られる心配はなくなり、安心して釣りを楽しむ事ができます。
しかし、人によっては「ワイヤーリーダーを使うと食いが悪くなる」という意見もあるようなのですが、そんな人にオススメなのがナイロンコーティングされたワイヤーリーダー。
これならワイヤーの強度を保ちつつ、ナイロンのコーティングによりタチウオに気づかれにくくなります。
またフロロカーボンでもタチウオ専用に強度を増したリーダーも出回っているので、チェックみてください。
尚、長さについてですが、プロアングラーの村越正海氏曰く「リーダーは釣る魚の長さよりも長ければ良い」とのこと。
フック
ロッド、リール、ラインと紹介してきましたが、最後にお話しするのがフック。
フックの中でもケガのリスクの低減や、手返しをよくする「バーブレスフック」とフッキングの確率を上げる「アシストフック」を紹介します。
尚、バーブレスフック、アシストフック両方ともタチウをターゲットにすることを念頭においてお話するので、参考にして頂ければ幸いです。
バープレスフック

http://www.daiwaweb.com/jp/resources/fishing/item/terminal_tackle/lure_te/presso_shook_ss/__icsFiles/afieldfile/2015/09/01/presso_singlehookSS.jpg
従来のフックには「バーブ」と呼ばれる返しがついていて、フッキング後にフックが抜けないようになっているのです。
そしてバーブレスは返しがないフックを指すのですが、バーブレスを勧める理由は二つあります。
勧める理由その1
一つ目は外しやすさです。
タチウオの歯はとても鋭く、口からフックを抜く時は十二分に気をつけないといけません。
ただでさえフックの抜くのが大変なのに、返しがついていると大変さが倍増します。
そしてバーブレスを使うことによりフックを外しやすくなり、手返りが良くなって釣果のアップに繋がるでしょう。
しかしフックが刺さるのは魚だけとは限りません。
人の服や、体に刺さる可能性もあります。
バーブありだと、服の場合は破らないと取れなくなったり、体に刺さると病院に行かなければいけなくなったりするでしょう。
特に近年タチウオ釣りは人気が上がってきているので、釣り場の混雑も予想されますし、万が一のことも考えておいた方が良いかも知れません。
勧める理由その2
勧める二つ目の理由は、バープレスの方がタチウオにフッキングしやすいということ。
バーブは一旦刺されば返しが効いて抜けづらくなりますが、バーブレスは返しがない分、鋭利で深く刺さりやすいと言われています。
尚、バーブレスはバレやすいとも言われますが、ポンピング時もラインのテンションを保つように巻き続けるなど、バレ対策はフック以外の面でも意識できることがたくさんあります。
アシストフック
ルアー、メタルジグ、ジグヘッドにはそれぞれフックが装備されていますが、アシストフックはフッキングのチャンスを増やすために、更にフックを足すものです。
メタルジグではフロントやリアにアシストフックを増やしたり、ジグヘッドの場合はフックにアシストフックを装着したりして、タチウオの小さなバイトも逃さないようにします。
タチウオにアシストフックが有効な理由
タチウオは獲物に食いつく際、慎重に噛み付くと言われています。
また、一度噛み付いても飲み込むまで数分掛かり、浮き釣りにおいてはどれだけ我慢できるかが鍵、と言われる程。
アシストフックを装備することにより、最初の小さなバイトでもフッキングに繋がる確率が上がるので、タチウオ釣りにアシストフックはマストと言えるでしょう。
ちなみにオススメのアシストフックはこちら。
バープレスフックが採用されており、フッキング時に即貫通するよう鋭い設計になっており、刺さりやすさが優先されています。
また、フックが三つ装備されたトリプルフックなので、フッキング率も3倍に。
そしてワインドにオススメなのがこちら。
オンスタックルデザイン社の「サーベルアシスト」で、これはフックに装着する形のものです。
装着の仕方も簡単なので、是非チェックしてみてください。
まとめ
本記事ではタチウオ釣りに適した釣り具を紹介しました。
紹介した道具は
- ロッド
- リール
- ラインとリーダー
- フック
の四つ。
ロッドはシーバスロッド、エギングロッド、ワインドロッドについて概要を説明し、タチウオ釣りの中でもどんな釣法に向いているか説明しました。
リールはスピニングリールとベイトリールについて特徴を説明し、電動リールについてはメリットや、どんな場面で有効か、ということついて触れています。
またラインとリーダーについても
- ナイロン
- フロロカーボン
- PEライン
といった素材の特徴を紹介しつつ、タチウオ釣りにはどの素材が向いているかお話しましたが
最後はフックについて、バープレスフックの利点と、アシストフックについてオススメさせて頂きました。
タチウオは海釣りの中でも気軽に狙える魚なので、そこまで高価な釣り具は必要になりませんが、最初にタチウオに適した物を揃えておくと、タチウオ釣りがより一層楽しくなることでしょう。